* 本編「考える生物学:細胞実験に基づく生物学」は下記「Set 1〜6」に基づき実施される。
* Set-TopとSet 1では、演習講義の概要を扱う。Set2ーSet5は細胞実験の実施要領である。
* 下パネル「話題集1〜6」は、細胞実験学習に基づく動物体の成り立ちに関わる話題(命題)。
|
Set-Top |
Set1へ |
Set2へ |
Set3
:ココ |
Set4へ |
Set5へ |
Set6へ |
本編の
目次へ
(下記) |
本演習の
主な実施
課題と話題 |
シオリ式
細胞標本観察
:構造と観察 |
細胞培養実験
(材料と方法) |
細胞実験
の意味意義
:12問 |
細胞実験
:実施要領
:請求方法 |
配布資料
テキスト
ワークシート |
Set-Topへは
クリックで移動 |
Set1へは
クリックで移動 |
Set2へは
クリックで移動 |
このシート
この目次へ |
Set4へは
クリックで移動 |
Set5へは
クリックで移動 |
Set6へは
クリックで移動 |
<印刷マニュアル:PDFはここをクリック、実験A「単純CG培養実験」だけの「PDFマニュアルはココ」>
実験方法の「概要・イメージ」を確認は ココ:Fig.42 - 60
容量が大きすぎる場合:PDF4分割印刷マニュアル:その1, その2, その3、 その4
|
<先頭行へ移動:目次へ>
<Set 3:はじめの一歩の細胞培養実験:カバーガラス(CG)培養法>
<ここでは/このシートは、細胞培養実験 Exp.A & Bの「材料と方法」です。>
実施要領/材料の特徴/物品請求方法などは 「上表のSet 5をクリック」(その5ではダメ) |
注意・重要
1)はじめに、CG細胞実験の簡単マニュアル(ココ)、あるいは、実験A(単純CG培養実験)だけのPDFマニュアル(ココ)を参照(印刷)し、丁寧に実験方法を参照してください。
2)受講者多数の授業実験を企画実施する場合は、必ず「最新版のPDF実験マニュアル」を参照・印刷して使用してください。
3)実践実験学習では様々なことへの配慮が不可欠です。準備や計画性(実施要領)が必要なので「Set 5:ココ」を必ず参照してください。 |
<本シートSet 3の目次>
1. はじめに
このセットの概要 (イメージ把握用:簡単マニュアルのPDF)
2. 実験実技の概要:カバーガラスを培養器とする細胞培養とは
:A,Bの比較(基本4工程)
3. 実技操作マニュアル
・・実験A(単純CG培養) & 実験B(OEKAKI実験)
主な材料、実験実施のポイント、
工程別の材料表(材料の写真)
実技操作:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5(封入法)、細胞観察像
補足1:実験学習に用いる
「実技デモ解説用のスライド図説」はFig.42 - 57:ココ、
補足2 :分割したPDF実験マニュアル
(その1, その2, その3、その4)、操作スペースA4用紙
Step 1. カバーガラス(CG)の準備、
Step 2. 細胞液の調製(細胞の遠心再浮遊)、
Step 3. 細胞液の滴下・培養、
Step 4. 固定・染色(標本完成)、
最後に、Step5. 顕微鏡観察
注意:本セット記載の実験法は「実験学習に向けた概要と実技操作マニュアル」である。
重要:細胞実験学習の実施要領、材料の意味・意義・仕様、材料算出法・入手法などは「セット5」に記す。
実験マニュアルの記載は「Showing」を必要とする。不明なことがあれば随時ご質問ください。
<先頭行へ移動>
<1. はじめに>
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.0 中 Fig.00 右 Fig.000)
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
このセットの概要
このセット(V)では、魚類細胞(FHLS)による細胞培養実験を行います。前のセット「Set2 細胞染色標本の観察」に用いた細胞標本(シオリ式標本など:上図のFig.0)の再現実験(つまり、CG細胞培養実験)です。その染色標本の観察・考察を行った時、疑問や質問としたことで検証可能なことは、このセットで計画実験として実施し、疑問の解消に努めましましょう。
行う実験は、実験A(#2標本:単純CG培養に対応)と実験B(#1標本:CGお絵描き実験に対応)の2区分です。実技操作(表3.1)はどちらも単純ですが、初学者が両実験を同時に行うと混乱します。また、実験AとBではその培養時間がかなり異なります。実施する前には、工程区分に従い実現可能なタイムスケジュールを作成してください。また、生きている細胞を扱うため、少しの注意と丁寧な操作も必要です。
なお、細胞培養技術は一般的にかなり専門的で専用の設備や器具(培養シャーレなど)を必要としますが、ここでは実験学習用に開発されたFHLS細胞とその細胞実験キットを用います。つまり、短時間でも繰り返して実験が可能なシステムです。学習教材なので、失敗を恐れず、気楽に且つ集中し、繰り返し、試してください。
それぞれの実験に与える表題は、Exp.Aは「単純カバーガラス(CG)培養実験:動物細胞を滴下培養するとどうなるか?」、Exp.Bは「お絵描き実験(組織形態形成に関する基礎実験):主要な生体物質を用い細胞培養を行うとどうなるか?」としています。「:」の後のフレーズを念頭に取り組んでください。その主要な目的は細胞の基本的な性質を知ること・確かめることです。 なお、標本観察の場合はこれまでの通りに「構造」という観点から行いましょう。
補足:両実験はもちろん「培養シャーレ」などでの実施も可能ですが、迅速・簡便・確実・省エネを旨とする本システムは「時・人・場所」を選びません。
なお、本実験学習の解説や原理のサイトはORコードで、あるいはこの下線文字列をクリックで参照が可能です(受講者へのメッセージ:実験解説と原理のサイト)。 <先頭行へ移動>
<2. 実験実技の概要:カバーガラス(CG)を培養器とする細胞培養とは>
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.1 中 Fig.2 右 Fig.3)
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
多くの場合、細胞培養実験には培養基質(細胞の接着運動に適した材質からなる固相の表面(細胞培養用に製品化されたシャーレ/ディッシュ、培養フラスコなど)が不可欠です。
細胞実験(A, B)は、カバーガラスをその培養基質(細胞培養面:図3.2/Fig 2)とし、下の表3.1の基本4工程(概要)で実施しますが、用いるカバーガラス(略号 CG)は、それ自体が、細胞の接着・伸展(運動)に適した素材材質です。 なお、普通のスライドガラスは不適当で使えません。
実験A(単純CG培養法)は、それでそのままのカバーガラスを用います(工程/Step1)が、実験B(お絵描き実験)では、事前にメチルセルロース(略号 MC:血清アルブミンの代替:安価な代用品)で処理したカバーガラスを用います。そのため、そのカバーガラス(略号 MC/CG)は、細胞が接着できない状態になるので、実験B(お絵描き実験)では、その補完としてそのカバーガラス(MC/CG)に「コラーゲンの変性物ゼラチン(略号 Gel)」で任意の絵文字などを綿棒で描き、細胞が生きるに必要な接着基質(培養基質)とします。なお、細胞がそれら接着基質を認識・選択・結合する反応は「接着結合」という性質であり、細胞の自律性・細胞運動(受容・伝達・実施)です。
本CG培養実験に用いる細胞液は、培養開始前に遠心分離(6500rpm 10秒、あるいは、1800rpm 90秒)し、上澄みを除いた後、新しい培養液(B-Med)で再浮遊(ピペッティング)してから用います。理由は短時間で接着伸展運動を進めるためです。
カバーガラスに滴下・培養に用いるその細胞液(遠心再浮遊した細胞液)の量は、実験Aでは1滴(約0.05ml)、実験Bは6滴程度(約0.3ml)とかなり少量です。また、培養時間は、実験Aでは30分以内で完了しますが、実験Bでは60分以上90分程度を必要とします。注意してください。
また、そのStep2(細胞液の調製:遠心再浮遊)では、少量の細胞液をピペッティングするため、用いるスポイトの感触を事前に確認・シミュレーションしておくことは重要(必要)です。
以上に用いる「細胞実験キット:CG培養法」は実験学習の付帯条件「迅速・簡便・確実・安価・安全・実効的」を念頭として開発された「細胞科学教育研究会」の新規システムです。
表3.1, カバーガラス(CG)培養(実験A, 実験B)の基本4工程
工程/Step |
実験A.
単純培養(2サークル/CG) |
実験B.
お絵描き実験(1サークル/CG) |
時間(分) |
1 |
カバーガラス(CG)
の準備 |
SG上にCGの左右辺をテープ止めの後、PFPで液止め円を2つ描く(雛形を利用)。CG左上には油性ペンの目印を付す。 |
MC処理済みCG(MC/CG)を左記と同様に準備し、液止め円はひとつ。加温溶解Gelを付けた綿棒で任意の絵文字を描き、乾燥30分。 |
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2 |
細胞液の調製
:遠心再浮遊 |
本工程の操作は実施責任者やグループ代表者が担当する。 1) 細胞バッグに水平振動を与え分散させ、2) バッグを開封し、3) ピペッティングの後、4) その細胞液を遠心チューブに加える。 5) 遠心分離の後、6) 上澄みを捨て、7) 紙タオルで余液を除き、8) タッピング。9) B-Medを加え、10) 丁寧なピペッティングで細胞を再浮遊させる。(遠心処理の意味・役割はセットXを参照) |
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3 |
細胞液の滴下
と培養 |
円内に2滴のB-Medを滴下し、調製した細胞液を1滴の後、28℃程度5-30分培養。 培養時間を長くできる場合はぜひ試してください。 |
細胞液を円内に6滴加え、適所に静置し培養90分。蓋などで乾燥防止を図る。培養温度は28℃以下で行います(ゼラチンが溶解しない温度:室温で十分です。 |
|
4 |
固定
・染色 |
培養液を捨て、円内にFixを2滴2分水洗後、CVは2滴3分 水洗。完成。 |
培養液を捨て、G-Fixは2滴2分。水洗後、CVは3滴3分処理、水洗。完成。 |
|
<表右欄の「所要時間」は工程の所用時間(予想)の記入欄(上段が実験A、下段が実験B)
略語. CG:カバーガラス、 SG:スライドガラス、 PFP:パラフィン色鉛筆、 FB細胞:フィルムバッグ入りのFHLS細胞、 CR細胞 :遠心再浮遊した細胞、 MC:メチルセルロース液(血清アルブミンの代替液)、 MC/CG:MC処理済みのCG、 Gel:ゼラチン(コラーゲンの変性物)、 B-Med:液体培地(培養液)、 Fix:固定液、 CV:染色液
補足:生徒さん実験の場合、固定液は安全な「酢酸-エタノール系」の固定液を使用します。 |
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
表3.2, 主な実験材料
下線付きは実験B(お絵描き実験)用、材料仕様など詳細は「Set 5」を参照:ココ、
工程別で区分/リスト化した必要物品一覧は下記「3」を参照:「ココ」をクリックで移動。 |
A.器具・機器.
□1) カバーガラス(CG 24x40mm)、□2) メチルセルロース(MC)処理済みのカバーガラス(MC/CG)、 □3) スライドガラス(SG 76x26mm)、□4) パラフィン色鉛筆(PFP)、□5) 微量遠心分離機(6500rpm程度で10秒、あるいは、1800rpm程度で90秒)、
□6) 遠心チューブ(微量遠心用は2ml容量)、 □7) 栄研3号スポイト(SP)、
□8)クラフト綿棒、 □9)顕微鏡、 □10)カメラ |
B.溶液・試薬.
□1) フィルムバッグ細胞(FB細胞 魚類FHLS細胞)、 □2) 液体培地/培養液(B-Med)、 □3) 固定液(G-Fix グルタルアルデヒド系)、 □4) 染色液(CV クリスタルバイオレット)、□5) ゼラチン液(Gel)、 □6) 必要に応じてメチルセルロース液(MC)、
□7) お湯(Gel湯煎、培養温度の設定など)、
*3)の固定液は、生徒さん実験の場合、安全対策のため酢酸-エタノール系を用いる/代用する。 |
C.備品など.
□1)小型トレー(CG培養ガラス収容用)、 □2)スコッチメンディングテープ、 □3)ハサミ、 □4)細書き油性ペン、□5)温度計、 □6)タイマー、 □7)紙コップ、 □8)オモリ(大型ワッシャー)、 □9)紙ナプキン、 □10)50mlビーカー、 □11)小型ピンセット、 □12)遠心チューブ用スタンド、 □13)扇風機、 □14)ゴミ袋、 |
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.4 中 Fig.5 右 Fig.6 )
<先頭行へ移動>
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.7 中 Fig.8 右 Fig.9 )
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
【A】実験実施に向けたポイント(注意事項)
□計画1.
実施実験「@実験Aだけ、A実験Bだけ、B実験Aの後に実験Bを行う、C実験A/Bを同時進行で行う」の別、そのタイムスケジュールに基づき、時間的余裕がある計画を立案する。実験Aの培養時間は30分以内であり所要時間50分以内で完了するが、実験Bで培養時間1時間以上を予定する。
□計画2.
Step 1「カバーガラス(CG)の準備」は「実験前準備」と位置付け、事前に実施し、Step 2以降(細胞操作や培養)に時間的な余裕を与える。この形式は、受講者多数の場合、特に重要である
□計画3.
「B.工程操作法」はグループ実験「4人/班」に対応した解説・数量である。他のグループ編成や受講者多数の場合、材料(必要数量など)の事前確認が必要である。細胞実験キットの仕様、実験学習に向けた物品算出法やリクエスト法は「セットX」に示す。
|
□準備1.
実験Aの培養温度は迅速化のために重要であり、28-33℃を目安にCG培養を行う。例えば、2枚重ねの紙コップや発泡スチロール小箱に35℃程度のお湯を入れ、その上にトレーやプラスチック下敷きを載せ「温度設定の培養台」とする。気温が影響するので事前に確認が必要。測定には放射温度計は便利。
□準備2.
Step 2(細胞の遠心再浮遊)は本実験の要であるが、遠心分離機がない場合は、安価な手作り遠心機などで対応することも可能(セットXを参照)。
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
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□操作1.
スポイトで「液」を滴下する時は、スポイトを立て(45度以上の角度で)滴下する。その時、面に近づけ過ぎないこと(液滴の状態で滴下)。片手を添え安定させゆっくり滴下する(事前練習は有効)。
□操作2.
次のB.工程操作(細胞操作)の解説・記述には「程度や加減が不明瞭」なことも含まれている。意識的な操作や配慮が必要なその解説は「下線付き文字」として示した。意識して注意して実施する。
□操作3.
本実験では「栄研3号スポイト:栄研化学のスポイト」を用い、実技操作を進めるが、指定がある場合はスポイトを交換する。あるいは、使用後に残液を紙タオルで吸引、水道水で残液を洗い流し、水切りを徹底し、再使用する。 また、切り取りスポイト(代用試験管)などとしても使用する。安価(18円/本)ではないので再生にも努める。
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□手順1.
実技操作は次項〔B〕に記述した工程区分(Step 1,2,3,4)に従い行う。 各工程(Step)の手技・方法は1),2),・・順で解説文とした。 その解説は複数のチェックボックス(□)付きの操作記述した。
□手順2.
実際に手技操作を行う場合は、片括弧番号の解説文を集中して通読後、チェックボックス付きの説明操作を行い、その後、次のチェックボックスの操作を行う。集中通読、チャックボックス文字列の操作、(マークキング)、次のチェックボックス操作の繰り返しで行う。各自で適切なマイペースで丁寧に操作する。
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□ コメント1.
細胞培養実験では「細胞操作スペース(A4サイズ程度)の確保」が重視されるが、グループ実験ではテーブルの混雑・混乱も生じる。そのため、A4用紙などを用い各自の操作スペース(不可侵域)を取り決め、共有材料との混乱が生じないように、整理整頓に基づき培養実験を実施する。
□ コメント2.
固定液と染色液を扱う場合は、取り扱い場所や操作法を事前に確認し、混雑することなく適切に行う。スポイト操作で飛沫が生じないように注意する。身体・衣服に付着しないように注意する。 生徒さん実験の時はホルマリン系ではなく、安全な酢酸-エタノール系の固定液を使用する。
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□ 実験Aのポイント
細胞が迅速に接着伸展するためには、させるためには、1)細胞の単離分散(遠心再浮遊の時は丁寧に)、培養温度(28℃)、細胞濃度(低濃度が良い)、それに、丁寧な固定処理が必要です。
□ 実験Bのポイント
ゼラチンで下絵を描く時には、厚塗り厳禁であり完全乾燥させるがポイント。培養温度は28℃以下、細胞濃度は高濃度を使用する。
(実験上のポイントは重要です。意味不明の場合はメールで通信確認してくださいね)
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<所定時間(授業時間)内で完了する考え方>
実験学習の場合、受講者は「担当者の指示待ち・同席者に追従」の状況も散見されます。説明不足や聞き漏らしも原因で、とても素直な姿勢ですが、これでは実技操作が遅々として進まない、が予想されます。また予想外の些細な操作に時間が取られてしまう、ということも事実です。
なお、実験は「お料理」に似ていますが「さじ加減がない・方法は記載に従う」が特徴であり、その操作解説は時に詳細を極め、つまり専門的、初学者には意味不明な事項が含まれることも事実です。再現実験・マニュアル作文の難しさですが、これについては、それでポイントのデモンストレーションが必要です(マニュアルに記した下線付き解説です)。
本編(実験マニュアル)では、上記への対応として、チェックボックス解説(操作)を採用し、各工程(Step)内の手技操作を細かく区分しました。その結果、受講者は独自に積極的に操作を進める、の様式を意図しました(作文としました)。積極性を期待すること・積極性を誘導することも本実験の目的の一つです。
つまり、受講者は指示された所要時間(持ち時間)を念頭に、その制限時間内に操作を完了させる、という実施形式が妥当かなと思っています。それで実施状況に応じて各工程の予想時間(所要時間)の確定が必要です。実施される方はシミュレーションと工程に応じた持ち時間の確定が必要です。お願いします。
要約すれば、工程操作の説明文を集中通読後に、必要物品の確認、デモ操作の確認の上で、自主的に進める、を期待しています。あるいは、デモ確認後は、制限時間を念頭に、操作解説に従い、自主的なグループ実験で可能ではないかと思っています。いかがでしょうか。
<1.集中通読、2.ポイントのデモストレーション/物品確認、3.持ち時間で自主実験>
なお、上記のような受講者の謙虚の美徳・素直な姿勢には、実験とはともかく何かを確かめること・失敗はない・貴方は何が知りたい確かめたい、というコメントが前提として必要ではないでしょうか。
さらに、一般的な実験学習とは異なりますが、原理の確認や考察は結果が出てから、ということも今後の学校実験では可能ではないかと思っています。基幹的基本となる実験の経験値は長期にわたり学習内容に影響するのではないでしょうか。「シャーレに生きている細胞を入れたらどうなるか?」今後の学習のためにともかく経験してみよう。集中して生物学の基本の経験値を作ってみよう。 きっと大切なはずだよ!」
いかがでしょうか。疑問や質問は随時メール送信:状況に応じて対応します。
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.11 右 Fig.12)
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
【3】実験方法とマニュアル(実験工程の手技操作法)
生徒さん実験を行う場合は「最新版のPDF実験マニュアル」を用いること
<実験は 基本4工程 + 顕微鏡観察>
Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像
Step 1. カバーガラス(CG)の準備、 Step 2. 細胞液の調製(細胞の遠心再浮遊)、
Step 3. 細胞液の滴下・培養、 Step 4. 固定・染色(標本完成)、 最後に、Step5. 顕微鏡観察
<工程別の必要物品(4人/班あたりの必要数量:特性や仕様はSet5を参照:ココ) > |
Step 1:カバーガラスの準備
実験A用(単純CG培養): □1)操作スペースA4用紙(4枚)、 □2)スライドガラス(4枚)、 □3)カバーガラス(4枚:CG)、 □4)スコッチメンディングテープ、 □5)ハサミ、 □6)パラフィン色鉛筆(2本)、 □7)細書き油性ペン(2本)、
実験B用(CGお絵描き実験):□1)メチルセルロース(MC)処理済みのカバーガラス(MC/CG:4枚)、□2)スライドガラス(4枚)、□3) 溶解ゼラチン液(Gel:0.5ml程度/1.5ml微量遠心チューブで配布)、 □4)クラフト綿棒(4本)、 □5)紙ナプキン(重要)、□6)扇風機、
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Step 2, 3:細胞液の調製と滴下培養 (実験A, B共通)
責任者用:□1)フィルムバッグ細胞(FHLS細胞)と栄研3号スポイト(1本)、 □3)50mlビーカー(細胞バッグのスタンド)、 □2)培地(B-Med)とスポイト(1本)、 □4)ハサミ、 □5)小型紙コップ(細胞液と培地を分注:それぞれ2個、補足:紙コップは転倒防止をすること)、 □6)スポイト(細胞と培地の配布コップ用:それぞれ2本:合計4本)、
担当者用:□1)遠心チューブ(2mlサイズ:実験Aは1個、実験Bは2個)、 □2)微量遠心分離機(約6500rpm・10秒))、 □3)遠心チューブスタンド、 □4)切り取りスポイト(代用試験管2本:細胞用と培地用)、 □5)スポイト(細胞と培地の分注用:各1本)、 □6)紙コップ(廃液入れ)、 □7) 培養温度の設定用品、□8)必要に応じて湿潤箱
注意:細胞液や培地を配布する紙コップ/プラカップは、必ず転倒防止策、を行うこと) |
Step 4:固定・染色(実験A, B共通)
□1)スポイト(2本:使用済みを水洗で再使用)、 □2)固定液(安全なN-Fix)、 □3)染色液(CV クリスタルバイオレット)、 □4)ガラス小試験管(固定液、染色液の分注・配布用)、 □5)水道水、 □6)水洗用の紙コップ(2個)、 □7)紙ナプキン、 □8)下記「常備品」。 必要に応じて「超速乾性の爪トップコート」
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常備品(実験A, B共通)
□1)オモリ(紙コップ転倒防止用:ワッシャー)、□2)紙コップ多数(転倒防止、廃液入れなど)、□3)お湯(湯煎や培養温度など)、□4)温度計(赤外線温度計)、□5)タイマー、□6)ピンセット、 □7)ゴミ袋、
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補足:栄研3号スポイトの必要数と注意事項
* 班当たりのスポイト必要数は4本(Step2,3)。その内の2本は切り取りスポイト「代用試験管」として使用する(上図を参照)。
* それ以外に、Step 2では、実施責任者が担当・用意・必要とするスポイトが5本。
* 固定液・染色液の滴下には使用済みスポイトを水洗・水切りして用いる。
* 意味不明な事項は必ず確認や問い合わせすること
注意:スポイトは用途を明記して厳密に使い分けをする(重要)。混同して使用すると細胞培養と細胞運動に強い影響を与える。 FB細胞の培養液がその他に少量でも混ざると伸展速度が著しく遅くなる。つまり、遠心再浮遊の時には十分十分注意すること。
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・<実験目次へ>
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細胞実験キットによるカバーガラス(CG)培養実験:実験材料のイメージ(上図:実験AとB)
1. フィルムバッグ細胞(12mlパック)、2. 液体培地(15mlパック)、3. 切り取りスポイト(代用試験管:右上図も参照):遠心再浮遊細胞を移し替えた後のピペッティング(単離分散)用、4. 代用試験管と培地、5. 固定液(小試験管)、6. 染色液(クリスタルバイオレット/小試験管)、7. 溶解ゼラチン、8. 綿棒、9. カバーガラス(CG):写真にはMC/CGは掲載していないが「9」と同じである、10. 操作スペースA4用紙、11. スライドガラス、12. 紙コップ用のオモリ(転倒防止用)、13 紙ナプキン、 14. ハサミ、15. パラフィン色鉛筆、16. 栄研3号スポイト(2本)、17. 遠心チューブ2mlサイズ/小試験管に入れた、18. 小型プラカップ(紙コップでも良い)、19. 紙コップ(廃液入れ)、20. 時計、 (材料仕様など詳細はセット5を参照:ココ)
特徴:細胞や培地はビニール袋に入っている。細胞液や培地などは一般的な試験管や容器に分注すると時々トラブルが生じるので、スポイトを「2レベル」で切断し「切り取りスポイト」つまり、代用試験管として、その用途に使用している。固定液や染色液は実験室備品の試験管などに分注して用いる。紙ナプキンは汎用性が高く廉価なので使いやすい。などなど。
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<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.13 中 Fig.14 右 Fig.15 )
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
Step 1. 細胞培養用カバーガラス(CG)の準備
〔移動:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像〕
実験 A(単純CG培養)の場合.(実験B:CGお絵描き実験は下記)
(初めての人は、培養サークルを「1つ描く」で行うも適している)
- □ スライドガラスの上に、カバーガラスの短辺域数mmをテープで止める(テープの角は重ね折り:剥がし易くする)。 □ ひな形(台紙)に置き、パラフィン色鉛筆で約1.5cmの円を2つ描く(下図3.3、液止めサークルなのでゆっくり丁寧に重ね書きで太線とする(重要)。 □カバーガラス左上には油性ペンで目印を付記(細胞面の確認用)。
- □ そのCG培養ガラスは紙ナプキンを敷いた平板トレーや10cmシャーレなどの上で扱う。□ 次工程まで保管。
図3.3、液止めサークルの雛形:パラフィン色鉛筆で重ね描き、丁寧に太線にする。
(画像クリックで拡大表示: Fig.10 )
・・・<先頭行へ移動>・<実験目次へ>・・・
実験 B(OEKAKI Exp)の場合.
:メチルセルース(MC)処理済みカバーガラス培養器の準備:ゼラチン塗抹
- □ MC処理カバーガラス(MC/CG)をスライドガラスにテープ止めし、□パラフィンペンで約2cmの円を一つ描く。
- □ ゼラチン液を加温溶解し、□綿棒の数mm先端を浸す(5秒)。□先端を紙ナプキンに数秒間付け余液を十分に除く(これは大切)。
- 上図:□そのゼラチン綿棒で円内に任意の図柄を描く。
ポイント:ゆっくり・強く・強い筆圧で描く 。厚塗りはダメ。
- □自然乾燥(10分間)後、□更に扇風機で送風20分程度、完全に乾燥させる(重要)。□ 完成品は次工程まで保管する。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・以上で Step 1 終了・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
Step 2 (共通). 細胞液の調製 (細胞の遠心再浮遊) ・・ Step3の直前に行う
〔移動:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像〕
- 本工程(細胞液の調製)の操作は、実施責任者や班代表者が担当し実施する(全員ではない)。
- 本工程では手加減が必要なスポイト操作を行うので、事前に、1)スポイト刻印「液量:0.5ml刻み」の確認、2)スポイトによるピペッティング(ポンピング:液の出し入れ)の感触を確認する。
- 下記の操作1)は受講者代表や責任者が行い、2)以降はグループ(班)の代表者が行う。その他の人はアシスタント(操作方法の確認や物品の受け渡し)などを担当する。
*フィルムバッグ細胞の液量は12ml/パックである。
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.16 中 Fig.17 右 Fig.18 )
<先頭行へ移動>・<実験目次へ>
- フィルムバッグ(FB)細胞(12ml)の浮遊分散化(責任者が担当) 【Fig18】
□1)細胞バッグの中に沈んだ白っぽい塊(細胞)を観察し、バッグに水平振動を与え、細胞の塊を浮遊させる。 □2)大きな塊がフィルムに付着の時は、もう一度、水平振動を行う。
□3)右図:細胞バッグをハサミで開封し、スポイトを差し込み、5回程度ピペッティング(液の出し入れ)を行う。 □4)目視確認し塊が「多い・大きい・目立つ」時は再度ピペッティングを行う。
□5)その細胞液(12ml)を、転倒防止したディスポ紙カップ(新品・小型)などに分注する(例えば、左・右列の受講者に対応させ6mlx2カップ)。□6)そのカップにはスポイトをそれぞれ2本添える/入れる(次の操作で担当者が遠心チューブに細胞液を分注するためのスポイト)。
□7) 同様に培地をカップ2つに分注(担当者取りに来るので新品スポイトを各2本添える)。
- 細胞液の分注(班担当者1)
□ 1)担当者は、遠心チューブ1本(2mlサイズ))を持参し、カップから細胞液1.5mlを分注する。□ 2)キャップを閉じて油性ペンで目印を書く。
(□ 実験Bの場合は、2本の遠心チューブに各2ml加える。)
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.19 中 Fig.20 右 Fig.21)
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Fig.20の補足:細胞実験キットを入手後、4、5日目には細胞濃度が高くなっているかも。CG単純培養(実験A)では低い細胞濃度で実験を行うため、遠心分離後の細胞ペレットが大きい時(Fig.20を参照)は、細胞濃度が適量になるように培地で再浮遊後に適切に希釈して行うと良い結果となるはず。
- 遠心分離(班担当者2)【Fig19】
□遠心機に、チューブを対角線・バランス状態(ほぼ同じ重量)でセットする。
□ 6500rpm,10秒(あるいは1800rpmで80秒)の遠心処理を行う(スイッチON、10秒後にOFF)。
注意: 遠心分離後の細胞は、チューブの底の一部に沈殿・集まっている(ペレット化している)。そのためチューブを遠心機から取り出す時は丁寧に行う(強い力が加わると細胞ペレットが崩れるので注意)。
- 事後処理とタッピング(班担当者3)【Fig22】
□ 液を捨てる紙コップを用意する。担当者は、
□ 1)両手でキャップを開け、素早く逆さまにして上澄みを捨てる。
□ 2)そのままで5秒ほど逆さままにした後、出口の残液を紙ナプキンでできるだけ吸い取る。 □ 3)チューブ底に張り付いている細胞ペレットを素早く確認(大きさも)。
□ 4)キャップを閉じ、チューブの底をテーブルに気持ち以上に強く(かなり強く)20回以上打ち付ける(タッピング処理:細胞ペレットがほぐれる)。すぐ次へ。
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.22 中 Fig.23 右 Fig.24 )
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- 細胞の再浮遊(班担当者3)【Fig22】
□ 担当者1,2は物品確認:□切り取りスポイト(代用試験管)2本。□その1本には「培地カップ」から培地を採取してくる(実験Aは3ml、実験Bは2.5ml)。同時に新品スポイト2本を班に持ち帰り、代用試験管に入れておく。
□ 1) 遠心チューブのキャップを開け、実験Aチューブに培地1.5mlをスポイトで加える。
(□ 実験Bの場合は2本のチューブにそれぞれ1mlを加える:細胞濃度は2倍になる)。
□ 2) そのスポイトで、吹きこぼれないように・泡立てしないように、ゆっくり丁寧にピペッティング(細胞の単離分散)を5回程度行い、細胞を浮遊させる。
□ 3)その細胞液を「未使用の代用試験管」に全量を移し換える。
□ 4)代用試験管では「吹きこぼれ」の心配がないので、強めポンピング(ピペッティング)で細胞液を十分に単離分散させる。 □ その細胞液を透視し、塊がある場合はもう少しピペッティングを加える(細胞は単離分散する)。(□ 実験B(2本チューブ)でも同様に操作するが、再浮遊液は合計2ml/代用試験管、になる)。
- 完了したら中断することなく(休むことなく)、次の工程(Step 3)を開始する。
補足:実験AとBを同時進行に行う場合の細胞調製法(4人分:事例)
ピペッティングに不安がある場合は上記の5)に従う。
- 2本の遠心チューブのキャップに目印 A or Bを付記。 それぞれのチューブに2mlの細胞液を分注。
- 2本を同時に遠心分離(6500rpm 10秒)し、上澄みを捨てる。残液を除く。
- 物理的刺激「タッピング」を20回加えた後に、それぞれに1mlの培養液(B-Med)を加え、更に、ピペッティング10回(5回x2セット)。以上により2倍濃度(濃縮)の細胞液1mlが2本得られる。
- チューブAの0.5mlをチューブBに移す。チューブAに培地(B-Med)を0.5ml加える。その結果、チューブAは等倍濃度で液量1.0ml、チューブBは2倍濃度で液量1.5mlになる。
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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・以上で Step 2 終了・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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Step 3. 細胞液(遠心再浮遊液)の滴下と細胞培養
〔移動:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像〕
注意:スポイトは立てて(45度以上で)使用する。滴下の時は少し持ち上げ「液滴」を作るような高さで行う。片手を添えて安定させ操作する。気泡が入らないように注意して操作する。
実験前の確認:□静置培養する場所を確認。実験Aでは温度は28-33℃(実施温度は_℃)。□Step 1で作成したCG培養ガラスの左右(培養面)は培養時間の差異などに使う(図を参照)。
コメント:ここでは左を30分培養とするが、もし可能なら、45分程度培養すると見違えるような伸展像が得られるはず。
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.25 右 Fig.26 )
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実験A. 液体培地と細胞液の滴下・培養(2サークル/CGの場合)
- □1) 左円だけに培地(B-Med)をスポイトで2滴、□2) 続いてStep2で調製した細胞液(遠心再浮遊液)1滴を滴下。□3)所定の場所に移動・静置し培養開始(時刻を記録)。
- □ 右円をいつどのように使うかを再確認する。 例えば、20分後に、
- □ 右円に1)と同じ操作を行い、5-10分間培養する。
- □ 予告:つまり、5-10分後、左右を同時に固定(Step4)する。□その必要な物品と方法を分担して確認する。
実験B(OEKAKI). 遠心再浮遊した細胞液の滴下と培養
注意(重要):乾燥した塗抹ゼラチンは以下の細胞培養中に吸水膨潤するので、培養温度が30℃を越えるとゼラチンを剥がれ易くなる、あるいは細胞がゼラチンを引き剥がしてしまう。そのため培養温度は28℃を越えないことが重要。従って、Step 1の時はゼラチンの厚塗りは厳禁である。
- Gel塗抹済みMC/CG培養ガラスの円中央に、Step 2で調製した細胞液を「6滴」滴下する。時刻を記録。
- 所定の場所で最低90分は培養するが次のような乾燥防止を図る。 □つまり、小さな濡れ紙をCG培養ガラスの側に置き、シャーレなどを被せ乾燥防止。注意:濡れ紙とガラスが接すると細胞液が浸透・消失する。
- □ 室温培養で良いが、寒冷期は25℃程度が望ましい。チェック(__℃)。 30℃以上ではゼラチンが膨潤し細胞が引き剥がす:28℃以下にする。□ 60分以上経過したら手にとって目視確認も可能。液が溢れたら改めて培地(B-Med)を滴下し、乾燥防止で培養を継続する。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・以上で Step 3 終了・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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Step 4 (共通). 固定・染色
〔移動:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像〕
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.27 右 Fig.28 )
(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.29 右 Fig.30 )
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- □1) 下敷き(トレー)の上に紙ナプキンを数枚重ねで敷く。□2) CG培養ガラスをその上に置く。□スライドガラスの長辺が接した状態で短辺を立てて、そのまま数秒放置する(培地が吸引される)。乾燥防止:すぐ次へ。
- □1) 濡れのない紙ナプキン上に戻し、□2)固定液(Fix:透明液)をスポイトを立て円中央に2滴ゆっくり滴下。□3) 固定液がサークルの外に流れ出た時は液が載っていない場所に改めて滴下する。 □4) そのまま3分(以上)処理(放置)する。 □5) この間に次の操作(水洗)の水カップ2つなどを用意する。
- □1) 固定液(透明液)を「廃液入れ:明記した紙コップ」に捨て、□2) 水(カップ)に漬け、やさしく揺すりながら5秒ほど水洗。 □3) 新しい水カップでもう一度。 □4) 1)と同じように、紙ナプキンに立て水を吸引。
- □1) トレーに戻し、□2) 染色液(青液)を滴下(実験Aは2滴、実験Bは3滴) 。 □3)染色液が流れ出た時は液が載っていない場所に改めて滴下。□4) 3分(以上)染色。□5)この間に紙コップの水を変える・準備する。
- □1) 染色液を所定の「廃液入れ」に捨て、 □2) 水紙コップに5秒ほど浸ける。□3) 軽く水切り後、次の水カップに同様に浸け、水洗する。
- □1)テープを丁寧に剥がし、□2)CGの細胞染色面を上にして紙ナプキン上で乾燥(完成)。あるいはStep5へ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・以上で Step 4 終了<先頭行へ移動>・<実験目次へ>・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
Step 5 (共通). 顕微鏡観察(すぐ観察のための水封入法)
〔移動:Step 1,
Step 2,
Step 3, Step 4, Step 5,(封入法)、細胞観察像〕
<先頭行へ移動> ・<実験目次へ>
- □ 水分を拭き取ったスライドガラスを紙タオルの上に置き、□ ガラス中央に水1滴を滴下。
- □ カバーガラスの細胞染色面を下にして「滴下水」の上に丁寧に載せる(カバーガラスは自然に張り付く)。
- □ ガラス表面の水濡れを紙ナプキンで丁寧に吸水除去。ただし、カバーガラスを押し付けてはいけない。
- 完成したその「水封入標本」を顕微鏡にセットし低倍・高倍率で「構造:要素の配置と繋がり」の観点から観察。
顕微鏡観察した時の封入標本の観察法や表現方法は「実験原理と解説」、あるいは「標本の見方・考え方・進め方」を参照してください。
- 水封入細胞標本(カバーガラス)を剥がす時は、霧吹きでCG面を水噴霧する。あるいは、□紙コップの水に数分浸し、軽く揺すると自然に剥がれ落ちるはず。□ピンセットなどを用いてCGを丁寧に取り出す。□乾燥して保存。
- 乾燥標本は封入なしでも観察が可能であるが、より明瞭にするには下記で封入標本とする。
補足:ドライ封入標本の作り方
封入標本を作る場合、その封入剤は化粧品(爪トップコート:100円ショップ)の超速乾性(60秒で乾燥)を用いる。その他の封入剤を用いると時間経過とともに脱色するので注意。
1)□綺麗なスライドガラスの中央にトップコートを少量滴下する。
2)□CG培養染色標本の細胞面を下にしてトップコートの上に載せる。
3)□十円硬化など軽いオモリをカバーガラスの上に載せ、ゆっくり密着させる。
上図:カバーガラス培養法による染色細胞像(クリスタルバイオレット染色)
本編の方法で作製した約30分培養後の魚類培養細胞FHLS像。染色細胞には、細胞質内の液胞も散見されるが、細胞核、核小体、細胞骨格(アクチン束)、糸状仮足や葉状仮足など、細胞接着の様子や基本的な細胞形態が明瞭に観察される。仮足とは、染色性が低い細胞の偏縁部であり、主要な細胞小器官は観察されず、薄く伸展した細胞膜と細胞骨格により構成され、その波うち運動により移動を可能とする部分。接着伸展が未熟な細胞、つまり培養初期など、では細胞は球状のまま濃染され観察される。
詳細は「標本の見方・考え方・進め方」、あるいは「実験原理と解説」を参照。 |
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「最新版のPDF実験マニュアル」を参照。
実験材料の意味・意義・仕様、また、材料の必要数量の算出法などの
実験学習の実施要領は「セット5」を参照
このシートは終わり
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<31-33>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.31 中 Fig.32 右 Fig.33 )
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<34-36>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.34 中 Fig.35 右 Fig.36 )
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<37-39>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.37 中 Fig.38 右 Fig.39 )
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<40-42>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.40 中 Fig.41 右 Fig.42 )
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<43-45>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.43 中 Fig.44 右 Fig.45 )
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<46-48>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.46 中 Fig.47 右 Fig.48)
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<49-51>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.49 中 Fig.50 右 Fig.51)
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<52-54>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.52 中 Fig.53 右 Fig.54)
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<55-57>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.55 中 Fig.56 右 Fig.57)
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<58-60>
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(画像クリックで拡大表示: 左 Fig.58 中 Fig.59 右 Fig.60)
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